本態性振戦(ET)はパーキンソン病よりはるかに多い、最もありふれた不随意運動。動作時に手が震えるため字が書けない・飲み物がこぼれる・人前が怖いと生活と尊厳が削られる。ところが重症度は外来での手書きスパイラルの目視と主観スケール頼みで、家での実態や薬の効きは分からない。パーキンソン病と混同され、「歳のせい」で片付けられ、治せる選択肢に辿り着けない人が多い。
ET診療は神経内科の主観評価+手書きスパイラル+投薬が中心で、客観的な在宅振戦定量・薬効の可視化・重症例をMRgFUS/DBSへ繋ぐ導線を一気通貫で支える製品はほぼ無い。Cala型の神経変調デバイスも国内では一般に提供されていない。なぜ無いか=①振戦の数値化アプリは医療機器該当(SaMD)の線引きが難しい②ETは「命に関わらない」と軽視され診療報酬・投資の動機が弱い③神経変調デバイスは規制・コストが重い。参入余地=診断・治療でなく「測って・続けて・繋ぐ」管理層。
医学=ETの重症度(動作時振戦・書字・描画)と赤旗(安静時振戦・歩行障害・ろれつ)の線引き、第一選択薬の効果判定の考え方。エンジニア=渦巻き描画+加速度/ジャイロで振戦の周波数(4〜12Hz)・振幅を抽出し、服薬・カフェイン・睡眠と時系列で結ぶ。AIは"診断"でなく"ちゃんと測れているか・変化があるか"の補助に限定。トレーダー=症状・数値から「経過観察/受診/専門外来」の確率を見積もり、過小治療と過剰紹介のトレードオフを最適化。楔=一つの神経内科と組み、非診断の客観定量で「薬が効いているかを家で可視化」を実証する。