前庭機能低下は欧米で成人約9,500万人が経験する高頻度症状で、QOL低下・転倒に直結。遠隔前庭リハ(telehealth VRT)は比較研究で対面と同等の改善、遠隔“監視つき”は自主トレ単独より良好と報告。デジタルVRT製品(英 Vertigenius 等のVRTソフト、ゲーミフィケーション型VRTアプリ HiM-V=使用性スコア82.5)も登場。ただし単一の巨大企業が市場を制した段階ではなく、エビデンス先行・製品は新興——ここは盛らない。
めまいは外来・救急で最頻の訴えの一つ。BPPV(良性発作性頭位めまい症)は耳石置換法(Epley等)で多くが短期に治るのに、適切に診断・施術されず、抗めまい薬の長期処方と「様子見」で慢性化しがち。前庭機能低下やPPPD(持続性知覚性めまい)にはVRTが有効だが、指導できる人手と継続支援が足りない。中枢性(脳卒中等)の見逃しも怖い。
めまい平衡を専門に診る医師・施設は限られ、BPPVが正しく耳石置換まで到達する患者は一部。VRTを系統的に在宅で届ける仕組みはほぼ無く、ベタヒスチン等の対症処方と通院が中心。なぜ無いか=(1)VRT/耳石置換は診療報酬の評価が弱く専従が置けない、(2)スマホでの眼振・頭位の客観計測が難しい、(3)中枢性除外の安全設計が要る。参入余地=「問診トリアージ→末梢性なら自宅Epley/VRTを3D誘導→DHIと継続を測る」オーケストレーション層。勝ち筋=耳鼻科・神経内科クリニック併設(医師の診断の傘の下)で自費VRT+遠隔フォロー。
医学=Dix-Hallpike/HINTS/Epley/VRTの臨床知で「末梢性で自宅誘導してよい人」を線引き。エンジニア=スマホのIMU+カメラで頭位・自主トレ反復を計測しゲーム化、DHI/症状を縦断記録。トレーダー=中枢性リスクと再発の確率化・トリアージ閾値の最適化。楔=1つの耳鼻科/めまい外来と組み、BPPV/PPPDの自宅VRTで「治せるのに治されていない」を可視化して実証する。