中核症状はPEM——動いた数時間〜翌日に総崩れ(クラッシュ)すること。だから運動で鍛える従来リハの発想が逆効果になりうる。唯一の自己管理が「ペーシング」(活動と休息を計画的に配分し上限を超えない)だが、体感頼みで難しい。心拍/HRVという客観アンカーで「今日はどこまで動けるか」を可視化し、クラッシュの前にブレーキを踏む。
日本はコロナ後遺症外来が点在(岡山大学などが研究)、ME/CFSを診断できる専門医は極端に少ない。患者会・両立支援の情報は揃ってきたが、「日々の活動を心拍で測ってペーシングする」スケールした医療連携ツールが無い。なぜ空白か=①病態(特にME/CFS)の機序が未確立で保険診療を組みにくい②後遺症外来は経過観察中心で日常管理に踏み込めない③ウェアラブルは「動くため」の設計ばかりで「動かないための」設計が無い。勝ち筋は就労との両立(健康経営・産業保健)を出口に据えること。
医学=PEM/ME・CFSの病態理解と除外診断(内分泌/血液/睡眠/メンタル)の設計、「無理をさせない安全弁」。エンジニア=心拍/HRV解析、PEMリスクの先読み、活動「予算」の可視化、後遺症外来/産業医への共有。トレーダー=「活動量と症状悪化の用量反応」を定量し、各人の安全な上限を推定。最小の楔は1つの後遺症外来か企業の産業保健と組み、心拍アンカーのペーシングで「クラッシュ頻度・就労継続率」をKPIに実証すること。