脳振盪(軽症外傷性脳損傷)はCT・MRIに写らず、症状(頭痛・めまい・霧感・反応の鈍さ・記憶障害)も見た目で分からない。なのに復帰可否は本人の自己申告と指導者の経験頼み。回復前に戻るとセカンドインパクト症候群や症状遷延のリスク。平常値が無いと「その人にとって正常か」を判断できず、無理な早期復帰と不要に長い離脱の両方が起きる。
日本でも啓発は進む(ラグビー・柔道・サッカー等)が、評価は紙のSCATを一部の現場で行う程度で、平時baseline+受傷後比較+段階的復帰を一気通貫で回すデジタル管理はほぼ無い。なぜ無いか=(1)米国を駆動するアスレチックトレーナー(AT)という職種が日本にほぼ無く測る担い手がいない、(2)脳振盪は「大袈裟」と軽視され投資動機が弱い、(3)医療機器該当(SaMD)の線引きが難しい。参入余地=学校・部活・地域クラブに、養護教諭・顧問・保護者でも使える"測って記録する層"。勝ち筋=診断せず、baseline記録+段階的復帰の進行管理+医師連携に絞る。
医学=段階的復帰(無症状→軽い有酸素→競技動作→接触練習→復帰)と赤旗の線引き。エンジニア=加速度センサで立位バランスの動揺を、画面タップで反応時間・記憶を測り、平常値と受傷後を同一指標で比較するパイプライン(AIは"診断"でなく"ちゃんと測れたか・逸脱があるか"の補助)。トレーダー=「安静継続/受診/段階を上げる」の確率を見積もり、早すぎる復帰と長すぎる離脱のトレードオフを最適化。楔=1つの高校の部活か地域クラブと組み、非診断のbaseline+段階的復帰の記録で「無理な早期復帰の抑止」と「不要に長い離脱の短縮」を同時に実証する。